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「思いやり予算」(1978年開始)の金丸信と、普天間基地辺野古移転反対を訴えるため6月6日から訪米した翁長沖縄県知事の類似点

金丸信が防衛庁長官をしていた頃アメリカは日本のマスコミを「安保ただ乗り」などと誘導しながら日米地位協定第24条(経費の負担条項)に定められていない経費を支払うよう日本に圧力をかけていた。
当時の金丸信防衛庁長官は、無条件降伏敗戦でマスコミは卑屈になり、国民も対米劣等感に陥っているのを読み、「アメリカが日本の安全を守ってくれていることに感謝し、円高でドル安、対米黒字の今日の日本の優勢な状況に鑑み、アメリカに同情し、思いやろうではないか」と持ち掛け、マスコミと国民の圧倒的支持を得て与野党支持で、やがて米軍経費70%を負担することになる「思いやり予算」を国会承認させた。
金丸は日本の義務でもない、やがて財政赤字の主因となる負担を国民に対米優越感と同情を煽ることで引き受けさせることに成功したのである。

翁長沖縄県知事は普天間基地の辺野古移転反対を訴える為6月6日から訪米した。米軍基地の移転問題は日本政府対米政府の合意問題であって沖縄県と米国の問題ではないから、アメリカとしては翁長知事が何を訴えようと聞く耳を持たないのが本来。同情じみた言葉は得られたが、なに一つ成果染みた結果は無かったが、それは初めから分かっていたことであった。
翁長知事は結果を知りながら何故、まるで恥さらしのような訪米をしたのか。

私はアメリカのシンクタンクの一員(シニアフェロー)としてCapitol Hillsでの防衛会議に参加しているから沖縄の米軍基地の将来は百も承知している。
第一次2020年、第二次2026年で海兵隊を皮切りに若干のメンテナンス要員を除き全米軍は沖縄から撤退する。
翁長知事は当然のことだが市長時代から米軍内部情報に通じている。
つまり私と同じく沖縄米軍の先行きを知っていたのだ。
翁長知事の訪米は、「私は知っていますよ」と、相手の目を見ながら伝えたかったのだ。やがて沖縄の全米軍撤退が発表されると「翁長知事の悲願がかなった」!と知事は脚光を浴びる。真面目な顔をして辺野古移転反対を叫ぶ翁長知事は大した役者だ。
日本の主要マスコミは、「翁長知事の訪米は失敗に終わった」と報道したが、日本のマスコミの程度の悪さを露見したに過ぎない。



2015年6月15日

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