第485(2008年09月05日号)国会議員号

増田俊男事務所 http://chokugen.com

もうじき9月15日です

本日の暴落はNY市場でのBear(売り方)とBull(買い方)の戦いで、売り方が買い方の戦略に引っかかったケースではないかと考えています。

金融危機、雇用と消費減退、企業利益減、成長減速、住宅価格下落、等々株価の悪材料は丸一年言い続けられています。北京オリンピック後の世界経済減速も何度も言われてきたことです。すでに8月から市場は売り方から買い方に主導権が移ろうとしているのになぜいまさら暴落なのか。

原油価格バブルも崩壊し、価格は1バーレル100ドルを割ろうとしており、ガソリン価格も下がり始めたので、加速してきたインフレにもブレーキがかかり、消費にもプラスに働き始めています。今までNYダウもニッケイ平均も原油が上がると下がり、下がると上がるというトレンドを続けてきました。ところがここのところ原油が急落すると、今度は原油価格の急落は世界経済の減退のためということで株価下落の理由にしてきました。実はこれはとんだ間違いなのです。原油の暴落は原油価格バブルの崩壊、すなわち市場の自律調整機能が働いたに過ぎません。原油価格の下げを世界経済減退だと騒ぐのは、売り方の店じまい興行の誇大広告というべきです。あるいは今後市場を制する買い方の策に売り方が乗せられたのかも知れません。

私は「9月半ばまでは乱高下が続く」と言って、株式投資の素人は9月の3週から始めなさいと言ってきました。原油の下げを世界経済減退にこじつけるのはManipulation(株価操作)の一種であり、同じ悪材料の繰り返しは「悪材料バブル」、あるいは「下げ理由バブル」と言っていいでしょう。今回の暴落が売り方最期の店じまい興行となるか、それとも来週買い方に大高騰を演じられ積み上げ協力を強いられる羽目になるのか見ものです。

いずれにしても、そろそろ(個人投資家不在で)閑散続きの玄人相場は終わろうとしています。

本稿で述べた通り、今後の市場は経済ファンダメンタルより政治によって大きく影響されることになるので、引き続き本稿にご注目ください。




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