第515号(2009年03月30日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com

米経済

私が「買い」を勧めた3月9日からNYもニッケイも約2週間で20%前後急上昇いたしました。私は、これで底を打ったとは考えないと表明し、「ここ一番!」でもそれなりのアドバイス(2回)をしています。

今またアメリカの金融機関は第二の危機に直面しています。それは「商業用不動産債権の焦げ付き急増」です。オフィスビル、ホテル、店舗・ショッピングセンター等への貸付総額は$3 trillion(300兆円)と言われていますが、約$700billion(70兆円)が焦げ付いてきました。昨年9月から本年3月にかけて2倍のピッチです。このままではかつての1990年代初期、1000店を越すSaving banksが倒産した時のようになりかねません。専門家は新たに$250billion(25兆円)の損失が発生し少なくとも700の銀行が倒産の危機にさらされると危惧しています。CITIBANKやBank of America等大手銀行の救済策は取られていますが、商業物件担保貸付の不良債権問題は全米多岐にわたり、容易に解決できるものではありません。米銀のバランスシートが改善されたような情報がありますが、それは時価会計凍結によって実損を隠蔽した結果であって、銀行が実際に抱えている損失は計り知れません。最近の消費の伸びや耐久消費財の売上増など実体経済の改善の証拠が出ていますが、致命的病根を持ったアメリカ経済の体質を一気に改善しなくてはならない時が間もなく来ることでしょう。

中国の役割

最近米中関係は改善されてきました。それはアメリカの債権者としての中国の役割が日増しに増加しているからです。アメリカの不況で米中間貿易額が落ちたとはいえ、昨年の黒字26兆円に対し、現在は月間2兆円のペースですから高水準です。いまや世界の経済は米中の手にかかっていると言っても過言ではありません。本当は日米中が世界不況脱却のため責任を分担するのが最善なのですが、いまや米中のみが協力体制を構築しています。日本だけは、何時ものように「蚊帳の外」です。中国に次ぐ外貨準備を持つ日本は政治献金をどうしたとかこうしたとかで明け暮れ、世界からの期待と自らの責任を知ろうともしません。アメリカの銀行と日本の銀行は連動するものが異なりますから、中央銀行の金融政策も日米では変わってしかるべきなのです。FRBは資金供給を増強するものの、銀行には貸付基準を強化して不動産の供給を押さえています。日本の銀行のバランスシートは不動産価格に連動する傾向が強いので、むしろ不動産価格を上げる政策を取るべきなのです。日銀は相も変わらず量的緩和策の一つ覚え。日本政府に至っては、この(無駄な公共投資でもすべき)時期に20件もの道路工事を停止するという。海外の政治・経済アナリストから見ると日本のしていることは「気違い沙汰」に映ることでしょう。政経無策の日本の行方は、いまや米中の手の内となりました。

米経済、今週は「忙しい週」になりそうです。

今日の株価を見れば、「ここ一番!」(1弾・2弾)がいかにお役に立ったかお分かりになったと思います。

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