第552号(2009年10月26日号)

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鳩山内閣は戦後を終わらせるか

鳩山首相の日本のアメリカ一辺倒非難に、私は鳩山由紀夫氏の戦後を終わらせようとする意気込みを感じます。アメリカの属国としての日本は吉田茂以来その門弟達によって引き継がれ、吉田の孫の麻生太郎まで脈々と続いてきました。鳩山内閣の普天間基地移転問題再考、インド洋での石油補給延長無し等の意思表示は鳩山内閣が明らかに吉田亜流と一線を画していることを内外に示しました。

吉田亜流政権と政治指針を異にする鳩山政権が日本の政治指針を決定するに当たって、先ず取り組まなくてはならない課題は安全問題です。
鳩山内閣は国民にとって最優先の日本の安全について「真実」を国民に明らかにする義務があります。本誌で何度も解説した通り、日米安保の原文(英文)を正しく翻訳すると、「アメリカが安全を保障しているのは、日本の中のアメリカ(米軍基地とアメリカ大使館や領事館等アメリカの憲法下にある地域のみ)だけで、日本の中の日本ではない」のです。
だから今まで中国海軍による南シナ海の日本領海侵犯に対しても、日本の領海域での石油採掘に対しても、またロシアが日本の領海を侵犯して日本の漁船を拿捕しても日米安保は一切発動されなかったし、アメリカは中国にもロシアにも対日領海侵犯、日本資産の略奪に対して抗議一つしませんでした。
ならば何故アメリカは北朝鮮の軍事挑発に対しては警戒するのかという疑問を持つでしょう。それは北朝鮮の軍事挑発が日米安保に銘記されている通りアメリカの憲法下にある日本の中の沖縄米軍基地に対する危機だからです。アメリカの対北朝鮮警戒や対策は日本の安全とはいささかの関わりもないのです。
吉田亜流政権は、アメリカの理解と協力を得ながら「日米安保はわが国安全の要」という「幻想」を国民に流布し続け、最大の役務を果たして(払って)きたのです。
鳩山内閣は、来年の参院選での勝利の後、憲法改正に反対する党員と野党を切り捨てて挙国一致内閣を目指すべきです。その上で、真の日米安保を国民に明らかにし、日米安保の見直しに挑戦しなくてはならないと思います。真の双務的相互安全保障は憲法第九条が存在する限りあり得ません。日本が敵から攻撃されるときアメリカが敵に軍事行動とるのに、アメリカが敵から攻撃を受けるとき憲法第九条下の日本はアメリカの敵に軍事行動が取れないからです。世界経済に国境がなくなり、各国同士の経済依存度が増しているとき、各国間の安全保障は最優先されるべき政治指針です。
先進国中日本だけは「平和憲法」のため何処の国とも安全保障条約が結べないのです。日米安保の見直しは、即憲法改正へと繋がる問題なのです。民主鳩山挙国一致内閣のもとで、真の独立国家日本に挑戦してもらいたいと願ってやみません。


*「小冊子」の読者からの為替に関するご質問に、10月中旬からドル高になりやがて92円になるとお答えしましたが、予想通り92円になりました。また「魔の11月」(株価下落)にはドルが下がり、80円台(最低85円)になるだろうとお答えしましたが、本誌の場を借り訂正します。先週のNYの異常取組み(買いクライマックス極限)が今後売りクライマックスに移行する過程でしばらく現金(ドル)保有が続くことが考えられるからです。その結果むしろドルは上がる可能性が高くなりました。ドル価上方修正と11月の株価の底については本日発信の「ここ一番!」をご参照ください。

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