第594号(2010年06月29日号)

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G8とG20で何が見えたか

先週からカナダで開かれたG8(25日)とG20(26日)は27日(日曜日)幕を閉じた。
閉幕後の記者会見でオバマ米大統領は、”the world’s largest economic powers had agreed on the need for continued growth in the short term and fiscal sustainability in the medium term.” (世界の経済大国は今後短期間に経済成長継続を推進すると同時に財政健全化も中期にわたって達成する必要があることで合意した)
また、”we must recognize that our fiscal health tomorrow will rest on in no small measure on our ability to create jobs and growth today.”(我々の明日の財政健全化は今日の雇用創出と経済成長に大きく依存していることを知るべきである)
欧州勢が財政健全化を重視する中、オバマ大統領は経済成長優先、更なる財政支出を各国に求めたのである。

2007年末からアメリカのサブプライム・ローン問題が発端で世界はCredit crunch(信用喪失)で金融不況に陥った。
アメリカの主導で先進工業国は超金融緩和を実施、その結果2009年3月から2010年4月まで世界の株式市場は平均で70%の値上がりとなった。
ところが5月になって欧州財政問題やアメリカの住宅販売と雇用の伸びの鈍さから景気後退懸念が広まり株価は一気に10−15%の下落となっている。

私は「ここ一番!」(タイムリーな市場ニュース・レター)や小冊子(中期的経済予想)で「オバマ・マジック」とか「産みの苦しみ」などと言いながら、アメリカがいかにマネー(金融)相場を経済ファンダメンタル相場に切り替えるかについて述べてきた。その苦しみが今日の下げであり、そのturning point (切り替え時)は7月である。
オバマ・マジシャン、いやオバマ・ドライバーは残り少なくなったガソリン・タンクから最後の給油を求めている。ここで止めたらまたもやエンストを起こすと警告する。

私はG8、G20を通してオバマ(アメリカ)対欧州勢(ヨーロッパ)の相違を見た。国家が財政危機に陥った時、社会主義国なら増税、緊縮財政、為替管理、物価統制であっという間に危機を脱出する。成長のための無駄な財政支出などする必要はない。
市場立脚の自由主義国家ではオバマ大統領の言う通り成長第一主義である。
成長を犠牲にした財政健全化は資本主義のシステム下では自殺行為なのである。

今回の国際会議で分かったことは欧州の政治、経済は社会主義的であること。
そして歴代のアメリカ大統領中最も社会主義的なオバマ大統領でさえ経済成長優先主義であることであった。
成長第一主義ならオバマ・マジックは成功する!
7月中旬以降の市場に注目!

*今発売中の増田俊男の「小冊子」vol.13にも注目!


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