第613号(2010年10月29日号)

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Inbalance (格差)問題は問題ではない

11月中旬韓国でG20(20カ国中央銀行・蔵相会議) が開かれる。
先にワシントンD.C.で開催されたG7で貿易黒字国と赤字国の格差拡大と中国等への外貨一極集中化が世界経済の不均衡を拡大しているという懸念が指摘され、今回のG20で討議されることになった。
ガイトナー米財務長官はGDPに対する貿易黒字枠と外貨準備率を設定し、IMF(国際通貨基金)が監視ならびに順守を強制出来るようIMFの機能強化を提案する予定である。
すでに私が本誌で指摘しているように中国の輸出攻勢に歯止めを掛ける措置によるアメリカ経済へのメリットは皆無に等しく、またグローバル経済下では一国に外貨が集中しても外貨は国内と国外に分散されるので外貨の一極集中によって特定の国が被害を受けることも世界経済の危機に繋がることもまったくない。
アメリカ議会が中国の輸入品に対する関税障壁法案を可決したのは中間選挙用であったように、今回のG20でのアメリカの主張と提案も「心ここにあらず」である。仮に各国が貿易量と外貨準備を規制することに合意したとしてもアメリカを含む各国の議会が承認することなどあり得ないのである。
ガイトナー米財務長官のG20での主張と提案の真の狙いは中国にアメリカの借金である米国債の購入を強要すること以外の何物でもない。
輸出倍増計画でドル価を下げておいて、こんなに国債の値を下げたのだからどんどん買ってくれと半ば強制的に中国に頼んでいるのである。
一見まともなガイトナー提案に、中国を除く各国が賛成すればするほど中国は米国債の購入を強いられることになる。
G20はガイトナー財務長官の米国債セールス・プロモーションのショーである。

FOMC(連邦公開市場委員会)

11月2−3日にFOMCが開かれ更なるFRBによる国債購入が決まるだろう。
市場への資金供給と若干インフレ率を押し上げる狙いがある。
当然ドルの価値は下がるからドル安が加速され株と住宅の表示価格は上昇する。
11月2日はアメリカの中間選挙日だから当日株価が上がることは民主党に有利に働く。11月中旬のG20後は中国の米国債買いが始まるのでドル安に若干ブレーキがかかるだろう。
FRBのインフレ政策で株価は上がっても消費の伸びが伴わないと株価上昇は長続きしない。ゼロ金利の状態では金融政策、特に金利政策には限界があり、引き続き国債買いのインフレ政策しか選択の余地はない。
小規模の国債買いを続けながら住宅価格の本格的上昇を待つことになる。
住宅価格の回復と上昇以外にアメリカ経済の景気回復はない。ところが日本は違う!




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