第744号(2012年07月17日号)

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大河を制する者が世界を制す!

資本主義社会(資本が正義)における「大河」とは「資本の流れ」である。
また「生の摂理は生存と支配である」ことを生命体の一部である人間として決して忘れてはならない。人間の世界は数千年以前から支配者と被支配者の共存であり、この関係は単純化の方向へ進んでいる。(One World)

アメリカのイラク攻撃(2003年3月)の真相!

今回の「小冊子」(Vol.38)で述べたように欧州債務危機問題の根底にはアメリカと欧州の「水争い」(資本市場の利権争い)があった。
2001年の9/11(セプテンバー・イレブン)前のEU(欧州連合)発足時からアメリカが2003年3月イラクを攻撃するまではEU(欧州連合)はアメリカに対して優位に立ちフランスはイラクの広大な油田の利権を手中に収めサダム・フセイン大統領にイラクの原油取引通貨をドルからユーロに切り替えさせた(2000年11月)。毎日約300万バーレル分の原油取引がユーロの需要増大化に繋がり、発足当時(2000年前後)1ユーロ=0.90ドル台であったユーロは2001年から急速に上がり始め遂に1.70ドル台までに達した。さらに前フランス大統領サルコジはシラク元大統領以来の対米大野心を抱いていた。それはユーロと中国人民元のペッグ制を敷くことでドルの基軸通貨制をアメリカから奪うことだった。
正に中国と組んだアメリカの生命線への挑戦であった。そこでアメリカは戦後(1946年)のガリオア基金(Government Appropriation for Relief in Occupied Area Fund=占領地域救済政府援助基金=占領地域の飢え、病気、社会不安を除く為の食糧、医薬品、石油、肥料等生活必需品緊急援助)とエロア基金(Economic Rehabilitation in Occupied Area Fund=占領地域経済復興資金=占領地域経済復興の為の資金、原材料、生産機械等の緊急援助)で敗戦国(アメリカの属国)日本と同様今日の繁栄を築いた属国ドイツと組んでフランスの野心を葬り去り、さらにドイツと共に欧州を統一する決意を固めたのである。
アメリカが目的を達成する時は、丁度日本を真珠湾攻撃に誘導したように必ず相手に挑戦させてから叩くのが「決まり」である。フランス(サルコジ前大統領)は日本の大東亜戦争突入同様派手な対米挑戦に誘導され敗れたのである。その結果、一時は「21世紀のあるべき政治体制の成功モデル」とまで言われたユーロ体制は崩壊に向かうのである。それは戦前日本が大東亜共栄圏の盟主になるなどという話と同じこと!
2003年ブッシュ米大統領が大量破壊兵器などという根も葉もない理由と数々の作り話(イラク兵が病院で赤子を殺害したという証言や炭疽菌を輸送するトラックの映像)でイラク攻撃を開始、イラクを事実上支配するとイラク原油決済通貨はユーロからドルになりユーロは対ドルで下落し始めた。ユーロ圏の金融資産価値激減で2008年頃からユーロ加盟国のギリシャ、アイルランド、ポーランド等が相次ぎ財政危機に見舞われ、さらに信用不安はスペイン、イタリアに波及、ユーロ加盟国は経済主権を捨てて(アメリカがバックの)ドイツの支配下に統一されようとしている。
今や欧州資産のドル資産へのスワップ(切り替え)が加速、欧州資産は日増しに縮小している。アメリカはドイツによる欧州経済統一を支援しながらユーロ・ネクスト(欧州株式市場)をドイツと共にコントロールし、事実上欧州市場の押さえに向かっているのである。
(ドイツのみならず日本を巻き添えにしたアメリカの世界戦略、特に対中国懐柔戦略の詳細は次回の「小冊子」(Vol.38)“アメリカから見た戦後日本の大総括”で述べる)

ガイトナー米財務長官はバークレイズ銀行のLIBOR(ライボー)不正操作を何故今になってリークしたのか?

LIBORとは世界の銀行間取引の標準金利のことで、世界の主要16銀行が自行の金利コストをBBA(英国銀行協会)に届け出をし、その平均金利がLIBORとして公表される仕組みになっている。実際は上位4行と下位4行を除いた中間の8行の平均金利がLIBORになる。この計算と公表はBBA公認の英国のThomson Reuter (トンプソン・ロイター)が代行している。世界中の金融機関はLIBORを基準に取引金利を定めていて、その年間取引高は約360兆ドル(約3京円)である。
英国のバークレイズ銀行は2008年からLIBORを不正操作してきたことを認め$451.4million(約360億円)の罰金を払うことになったがLIBOR操作は一行だけでは出来ないのでバークレイズ銀行だけの問題で終わることは無い。英米当局が調査に乗り出しているがアメリカのガイトナー財務長官がまだNYの連銀総裁であった2008年6月、BANK OF ENGLAND(英国中央銀行)に特定の加盟銀行に有利になるLIBOR操作が横行するような制度は改革すべきだと求めていた。当時のガイトナーNY連銀総裁は2008年4月以降バークレイズ銀行の複数の職員からのLIBOR不正操作に関する内部告発の録音を入手していた。今後ガイトナー長官は米議会で追及を受けることになるが、バークレイズ銀行をスケープ・ゴート(生贄)にしてマスコミにリークしたのは当の米財務当局である。その煽りを受けて英国当局はLIBOR談合・操作の捜査に追い込まれる羽目になったのである。今回のバークレイズ銀行スキャンダルで市場は大混乱に至らなかったが、英米捜査当局により「2005年以来の驚くべきLIBOR操作(談合)の全貌」が明らかになると(本年9月末の予定)市場は大混乱し米議会やFRB(米連邦準備理事会)ばかりか主要国の中央銀行や財務当局でLIBOR採用の是非が問われることになる。何兆ドル(何百兆円)という戦後最大の不正事件の実態が明らかになるとLIBOR管理国である英国の信用は失墜、大英帝国以来の伝統的特権LIBORに終止符が打たれることになるだろう。FRBが待っていましたとばかり新たにNYBOR(New York Interbank Offered Rate)を世界に提案するのは目に見えている。世界の金利決定の特権はかつてのパックス・ブリタニカ(大英帝国London)から現在のパックス・アメリカーナ(米国New York)に移ることになるだろう。これでアメリカは株式、商品市場に加えて大英帝国以来の「世界の金利操作の特権」を引き継ぎ世界の富を吸い上げることになる。
敗戦国日本はアメリカの国益の「都合」で、自らの国民の生命財産を守ることが出来ない主権無き亡国になり下がっているが、アメリカの「都合が変わった」!
目的の為には手段を選ばぬアメリカの都合で日本が変わる!
これも“アメリカから見た戦後日本の大総括”(「小冊子」Vol.38)で述べる。
日本人の歴史観では「真の日本」を知ることは出来ない!
今現在の日本と「将来の日本」を知らずして、、、「投資等100年早い!」。
(失礼な表現ですが、相変わらずのことと、お許し下さい)。


*“アメリカから見た戦後日本の大総括”の内容とご案内は今週中に発表致します。


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