第812(2013年3月4日号)

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アメリカのSequester(強制財政カット)に見るアメリカの「政治」。

本日(3月4日)の増田俊男の「目からウロコのインターネット・セミナー」(3月1日の出来レース)でも述べる予定ですが、アメリカは、2011年以来財政危機は常に土壇場で解決してきました。
ところが3月1日から9月30日までの間強制される$85 billion(約7.7兆円)の強制財政カットは本誌で予想した通り土壇場で解決されることなく、オバマ大統領は軍事予算をはじめとする広範囲にわたって財政カットを執行せざるを得なかった。
私は本誌で、3月1日までに民主、共和両党は赤字削減の具体策は決める意思は全くなく、強制財政カットで起きる経済的マイナスと混乱の責任を「なすり合う」つもりであると述べています。1月1日が期限だった「財政の崖」の危機は増税に反対の共和党が譲歩して45万ドル以上の高額所得者にも適用されていたブッシュ減税を廃止する事実上の増税を認めたのだから今度は大きい政府(大型財政)を求める民主党が財政カットを認める番でした。期限切れのためオバマ大統領は3月1日85 billionの財政カットを執行の為のサインをしましたが、なお$110 billionを10年間で断続的に消化し、一方ではmillionaires(億万長者)に増税を課し、また農業補助金を廃止することで$85 billionを7カ月間(9月末まで)という短期間にカットするのを避けようとしています。
共和党は軍事予算の削減を$85 billionの半分以下に押さえることを条件に財政カットの配分をオバマ大統領に任してもいいが、今後一切増税は認めないと主張し、財政カットの先送りと増税の折衷案を進めるなら国債発行の上限の引き上げに反対すると言っています。
既に2012年の国債上限は超えていて、年金会計等国民からの預かり金を流用してやり繰りしている状態ですから、国債発行上限が切り上げられないと国債のデフォルト(償還不能)は確実になり、国家機能もストップします。
さらに3月27日は現行の暫定予算が失効するので本予算の議会審議と承認を得なくては、これまた国家機能の停止となります。
“ Not everyone will feel the pain of these cuts right away. The pain, though, will be real.
I don’t anticipate a huge financial crisis, people are going to be hurt”
(財政カットで誰も今すぐ痛みを感じるわけではないが、やがて痛みが本物になる。金融市場に大きな危機は無いが、国民は被害を受けることになると思う)と述べている。
この金融市場は大丈夫と言う一言とバーナンキFRB議長の議会証言(金融緩和の一段の推進)で、NYダウは下がるどころか先週14,000ドルを超し5年来の高値をつけました。
今アメリカの地方都市の財政は中央政府と同じく破綻状態にあります。ビッグ・スリー(フォード、ゼネラルモーターズ、クライスラー)の本拠地デトロイトや5大都市の一つであるシカゴ市が破産宣告の準備をしています。2011年にはアラバマ州のジェファーソン群が地方としては最大の破産宣告をしましたし、またカリフォルニア州のサンバナディーノ、マンモス・レーク、スタックトン市など大小の群や市が破産宣告をしています。2015年までにアメリカの大都市の50%は破産するとNY市長は言っています。中央政府の緊縮財政で地方交付金は減額又はカットされるので今後地方都市の財政破綻と公務員の失業はウナギ登りとなるのは間違いありません。FRBの毎月$85 billion(約7.7兆円)の緩和資金は真っ直ぐに金融市場に向かい、投資銀行、証券会社、ヘッジファンド等の懐を豊かにし、それぞれの役員達の数億から数十億の報酬に消えて行く。
オバマ大統領は歴代のエリート大統領と異なり、黒人でもあることから弱き者の味方のイメージですが、やっていることは億万長者に湯水の如く国民の税金を(市場を通して)配り、そのほんのわずかを税金として回収しようとしているに過ぎません。一方、共和党は財政削減で国民へのサービスを悪化させ、浮いた資金を億万長者に回そうとする。
オバマ大統領は「変化」を標榜して当選を重ねましたが、毛色が変わっただけで体質は歴代の大統領と全く同じですね。

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