第845(2013年7月10日号)

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(本号は英語版”Straight from shoulder”としてワシントンD.C.、シテイー、チューリッヒのシンクタンクに発信されるものです)

「経済の運命は金利で決まる」、しかし日本は、、、?

欧州の債務危機がまだ落ち着かなかった約1年前、2012年6月、日本の国債発行総額の内約100兆円が外人保有になったと日銀が発表した。これは率にして8.3%であり1979年以来最も高い外人保有率であった。以来日本の国債の外人保有率は上がっている。


本年4月4日の黒田新日銀総裁が異次元金融緩和政策を発表した翌日の5日の債権市場は大混乱に陥り午前中10年物国債利回りは過去最低の0.315%に落ち込むと午後には0.62%に急上昇するなどサーキット・ブレーカー(取引中断)を何度も起こした。
その後も日本の債権市場は不安定な取引が続いたので6月11日の金融政策決定会合で市場沈静策が出ると市場は期待したが期待外れに終わった。しかし以来日銀はコール市場(銀行間資金調達市場)でのオペ(無担保債の売り買い操作)の月間回数を増やした(6回から8回以上)ので市場は落ち着きを取り戻したが、依然として標準10年物国債利回りは0.85%前後で高止まりしている。


金融緩和の目的は余剰資金を市場に供給し金融資産(株価等)を増大させ、景況感を良くしながら国債購入で金利を下げ設備投資を促し経済成長に誘導することにある。
経済にとって「いい金利上昇」と「悪い金利の上昇」がある。
現在アメリカ経済は金融資産増大の影響で上昇した住宅価格が家計の含み資産増大化に繋がり、さらにそれが消費を押し上げるという好循環に向かっている。
今市場では10年物国債の利回りが2.7%に上がったことが議論されているが、先に述べたようにアメリカ経済は自律的経済成長に向かっているのでこうした成長過程で金利が上がるのは「いい金利上昇」なのである。
経済成長が確実になれば安全市場である債権市場からリスク市場の株式市場に資金が移動(債権売り)するから債権利回りが上がり金利上昇になるのは当然であり、リスクマネーのリターン(投資収益)は増大化するので健全な金利上昇と言えるのである。
一方IMFは2013年の欧州の経済成長見通し(7月9日発表)をマイナス0.6%に下方修正した。中でもポルトガルは蔵相と外相が突如辞任したことがきっかけとなって、2年前の財政支援(780億ユーロ=約12兆円)の条件履行と2014年6月までに経済自律を計る事が不可能である事が明るみになったため国債利回りが8%まで跳ね上がり今後債権市場からの資金調達は難しくなった。ポルトガルの場合は「悪い金利上昇」である。


では日本の場合はどうだろうか。
異次元金融緩和以来ニッケイ平均株価は急速に上昇し、5月23日には15,942円の年初来高値を付けたが同日午後から1,000円を超える暴落をしてから下がり続け12,800円台(6月中旬)を底に反発7月入ってから14,400円台回復、15,000円が視野に入って来た。
日銀発表(7月1日)の短観によれば大手企業・製造業の景況感は2011年9月の調査開始以来初めてプラスに転じた。さらにアメリカと同様に日本の不動産価格が上昇に転じて来たのを見ても日本経済も自律回復に向かっている事が分かる。
今後日本の10年物国債利回りは1.0‐1.2%に上昇するが、物価と共に名目金利(実質金利+予想金利)が2%に接近してくると国債利払いが20兆円を超し歳入の半分を占めることになり、消費税増収分を食ってしまうことになりかねない。
安倍政権が財政規律を怠ると国債保有率を増やしている外人が日本国債の大量売りに回って2%の金利が5%にならないとも限らない。そうなると設備投資は激減、歳入の100%が国債利払いになり財政破綻にも成りかねない。
成長戦略は必須だが、財政健全化はより重要である。
しかしGDP比240% になろうとする赤字を縮小することは不可能に近い。
つまりここまできたら、財務省は「国民の為に隠しておきたいのはわかるが」、今までのように帳簿操作で負債を増やすことを止めにして、もうそろそろ「埋蔵金」を明らかにて、「実は国の借金はゼロで、あるのは債権ばかりです」と告白すべき時ではないのか。毎年国民に「逆税金」(国民に国の余剰資産を現金化して配る)を払わないまでも少なくとも所得税はゼロに出来る筈だ。
グローバル化時代なのだから、「お口に合わないと思いますが、、」等と言わないで「これは世界一おいしいお菓子ですが」と言えばいいと思いますが、どうでしょう。




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