第879号(2013年12月13日号)

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スタンレー・フィッシャーFRB副議長候補で何が変わるか?

バーナンキFRB議長の任期は2014年1月。オバマ大統領が現副議長イエレン氏を次期議長に任命、議会が承認するとNY株価は上がり、昨日次期副議長としてスタンレー・フィッシャー氏の名が浮上すると株価は大きく下げた。
フィッシャー氏とはどんな人物でまた金融政策にどんな考えを持っているのだろうか。人間には哲学や主張を超えた「格」や「貫禄」というものがある。
天皇陛下と口にしただけで、また拝顔するだけで恭しく思うのと同じである。
フィッシャー氏の人種であるがイスラエルとアメリカの二重国籍である。
だから氏はかつてイスラエルの中央銀行総裁でありながら今回FRB副議長候補になれるのである。バーナンキFRB議長もECB(欧州中央銀行)総裁のドラギ氏もフィッシャー氏の弟子のようなもの。実は私は金融政策の哲学(基本的考え方)において氏と全く同じである。つまり「市場主義」である。バーナンキ現FRB議長とイエレン次期議長、さらにECBドラギ総裁が採るForward Guidance(フォーワード・ガイダンス=一定の将来までの金利目標を設定する)による市場誘導に反対である。金融政策の基本は市場を一定の目標に誘導するのではなく市場を放置し市場動向重視で、市場の過剰な動きを調整する点にある。資本主義は市場主義であり市場には規律も秩序もないのが基本である。市場価値は規律や秩序からは生まれない。市場は自由でなくてはならず、いかなる政策も市場の自由を規制してはならず、金融政策は市場の自由の行き過ぎの調整のみでなくてはならない。


次期FRB副議長としてフィッシャー氏の名が出たとたんにNY株価が下がったのは市場が氏を「タカ派」と見たからである。市場は「上がるか下がるか」、「白か黒か」、「ハト派かタカ派か」、つまり「プラスかマイナス」、つまり市場に「マネーが入るのか出るのか」しか判断できない。フィッシャー氏はタカ派でもハト派でもない。いわば「市場派」である。マネーが移動するだけ市場ではなく、価値を生み出す実体経済市場の資金需要の変化に合わせて金利を下げて金融緩和をし、また金利を上げて引締め政策を採る。つまり政策はすべて実体経済次第で「柔軟に調整する」のがフィッシャー氏の基本政策である。イエレン次期議長のフォーワード・ガイダンスは反市場主義であり、フィッシャー氏の市場哲学に反する。従って不要マネーの量に依存すべく現バーナンキ議長とイエレン副議長に誘導されてきた市場はフィッシャー次期副議長によって変わるばかりか「品が良くなる」だろう。


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