第905号(2014年4月30日号)

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米国債と日本の国債が潰れない全く異なった理由 

今アメリカ経済は2008年以来の不況で失った金融資産を取り戻し、不動産(住宅)価格も戻って来たし、失業率は6.5%の目標にあと一歩、そして企業の倒産件数も最低になっている。今日のNYダウ平均(金融資産)は2007年10月の最高値14,280ドルより15.50%高い16,500ドルであり、2008年の最安値6,763ドルの実に2.4倍(240%)高。FRBもアメリカ経済は回復したと判断し、本年1月から毎月約1兆円の緩和縮小を続けているが、本日の「ここ一番!」でも述べている通り、家計の41%以上(過去最高)が株式市場に回っている上信用残が過去最高に膨れ上がっているので「NY株価はここまで」という見方が増えるのは当然。


一方FRBは緩和縮小を始めたとはいえ、すでに約400兆円に及ぶ緩和資金放出の為に米国債を買い込んでいる。結果FRBの資産残は国債新規発行以外に返済不能な不良債権の比重が増大。実際のところ米国債は日本の国債同様返済不能の不良債権であるが両国債に旺盛な需要があるので破綻しない(破綻するのは国債が売れなくなった時)。米国債が破綻しない理由はドルが国際基軸通貨であるため。アメリカ以外の第三国間での国際取引がドルで行われている限りドル需要が増加するのでアメリカはドルを刷り続けることが出来る。
日本の国債は日本の国民(銀行、企業、国民等)が約100%を保有し、国内の新規国債入札で札割れになる事はない。だからGDP比240%という天文学的国債債務残にもかかわらず、国際信用問題が発生する度に円が安全通貨として買われるのである。


今後日本の円にリスクはないが、ドルには中国と言う恐ろしいリスクがある。
実は今回の「小冊子」(Vol.56)で述べたが、あまり詳しく述べると危険な事実がある。本小冊子で述べたがFRBの秘密文書(FT900)はFRBが関わるアメリカと他国間の輸出入情報だが、ここで問題なのはアメリカの金の輸出入である。米財務省は、「1971年8月15日ニクソン大統領が発表したドル・金の交換廃止以降金の購入も売却も行わず、常に8,133トンの金を保有している」と公表している。ところが先のFRB文書(FT900)で金の輸出入バランスを1992年にさかのぼって2013年までを調べると輸出入バランスはマイナス5,500トン(中国へ1,000トン以上輸出)となっている。マイナスと言うことは何処かから調達したことになる。アメリカの金の公式保有量8,133トンが保管されているFRBの在庫から輸出されたことは明白。FRBは米議会の決議にもかかわらず金保管所の第三者検査を拒み続けている。中国は2009年4月24日に金の保有量1,054トンの公式をしている。中国は5年ごとに金の保有量を発表する。アメリカの金のネット輸出入がマイナス5,500トンで、そのほとんどが中国へ渡っていることは証明されているから、もし中国が公式に金の保有量を発表したら「FRBの金保管所は空である」ことが世界の知るところとなる。そうなると基軸通貨制の特典で維持されているドルの信頼は一気に崩壊する。私がL.A.で中国の友人(要人)にアドバイスしたのは「アメリカに発表して良いかどうか聞いてみたら」、「きっと良いことがあると思いますよ」である。「中国は2014年4月24日に金保有高を発表しなかった!」というわけである。
*ところで7月1日に「とてつもないことが米議会で起きる!」。




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