第949号(2014年11月25日号)

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国民70%が「はてな?」の解散総選挙

11月17日の経済成長速報を見て安倍首相は解散を決意する。「公示12月2日投票12月14日」と11月3日のテレビ番組で内閣官房参与飯島勲氏が述べた通り安倍首相は解散・総選挙を決めた。安倍首相も飯島氏も11月17日前に経済成長がマイナスになる速報値を知っていたので2015年10月予定の消費税増税(10%)を延期することを決めていた。そこで「消費税解散」にする予定であったが、与党は衆参両院で過半数を持っていることから消費税増税延期の国会決議に何の支障もない。となると「何で消費税解散なのだ」との批判が出る。
そこで急遽「アベノミクス解散」に決まったのであった。
ところが、日銀短観が日本経済は緩やかに成長基調に乗っていると発表している。第3四半期のマイナス成長(年率‐1.6%)は4月消費税増税の余波と言うより企業の在庫整理が主な理由であって日本経済がリセッション(不況)に陥る兆しは全くない。また与党内にアベノミクス反対はなく、野党もアベノミクス反対で内閣不信任決議案を出そうなどの発想すらなかった。マスコミもアベノミクスに関し大した批判はなく今後を見極めようというスタンスだった。
2005年の小泉首相の「郵政解散」を引き合いに出しているが、郵政民営化はブッシュ政権からの命令的要望であり、アメリカのハゲタカに国民の貯金を奪われる(実際その通りになった)と言う危惧もあり自民党内の賛否は割れていたし、野党も真っ二つだった。だから解散総選挙で国民に信を問うに十分な理由があった。それに比べてアベノミクス解散の根拠も理由も全くない!
国民の70%近くが「解散の理由が分からない」と言うのは当然である。
それは「真の理由」が隠されているからである。
消費税1年半先送りで1兆5千億円の税収減、消費税増税目当ての子育て支援延長なし、選挙目当ての派手な景気刺激策を次々発表しているので補正予算は限度額3兆円を超えることは決定的。これで麻生財務相が国際公約した2015年財政赤字半減目標(GDP比3.3%)は不可能が決定的になった。
虚偽の理由で財政健全化を犠牲にしてまでの総選挙断行の真の理由は何か。
野党内部でごたごたしているタイミングを狙って選挙をすれば与党が国会で絶対多数を得る可能性は十分ある。では一体何のための絶対多数か。
アメリカが安倍内閣に強く求めていることがある。中国の習近平主席就任(2013年)以来米中は3度の首脳会談を重ね、アジアの秩序は米中二カ国で責任を持つ方向が決定的になった。アメリカは核保有国中国と軍事抗争は出来ないので日本に対する中国の軍事行動に対して武力で対抗出来ないし、したくない。そこでアメリカが安倍内閣に強く求めているのが「自主的抑止力(核武装)と自主的防衛能力(憲法第九条の専守防衛でない)の確立である。憲法解釈変更の集団的自衛権では不十分。安倍内閣にとって国会の過半数で憲法改正が出来る体制の確立が急務なのである。安倍首相は正直に「憲法改正解散」と打って出たら総選挙で勝てないことを誰よりもよく知っていたのである。
P.S. ところお勉強です。政治とは何か:それは「信頼」と「品格」。
そして「信頼とは嘘をつかぬこと」!
嘘の理由の解散・総選挙、せめて品格のある候補者にでも投票しますか。

●小冊子Vol.62の発送開始は12月5日頃に変更となりますのでご了承ください。

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