第1024号(2015年10月28日号)

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米軍の「航行の自由作戦」 

米海軍のイージス駆逐艦が南シナ海の南沙諸島(英語名スプラトリー諸島)で、中国が埋め立てた複数(元スーピとミスチーフ名の暗礁)の人工島12カイリ(約22キロ)以内の海域を数時間航行した。アメリカの意図は作戦名の通り、中国が作った人工島周囲12カイリは中国の領海ではなく、航行は自由であることを世界に示す為である。「中国の人工島は元々満ち潮時には水没する暗礁だから国際法上島ではなく周囲12カイリは領海ではない。」がアメリカの見解。
「現在の人工島は満ち潮時に水没しないから周囲12カイリは中国の領海」は中国の主張。
今から5000年前に栄えた人類最古のメソポタミア文明から今日まで変わらぬ「政治真理」がある。「法は強き者が弱き者を支配する為に存在する」である。最近の例では日本を侵略国に決めつけた東京裁判(極東国際軍事裁判)がある。アメリカを代表するキーナン検事は「文明に対する宣戦布告」とか「平和に対する罪」などどこの国にも国際連合にもない「罪」を裁判官達に認めさせた。
勝者(強き者)が敗者(弱者)を裁く法が無ければ法を作ればいい。東京裁判が「勝者が敗者を裁いた裁判」と言われる所以である。
アメリカが中国より強く、中国の人工島を破壊する意志があるなら破壊を正当化する法を作ればいい。ところがアメリカには中国の人工島を破壊する意志は無く、又破壊を正当化する法も存在しない。アメリカが中国の人工島を破壊出来ないなら、事実上人工島を認めたことになるから中国はアメリカが認めた人工島が満ち潮時に埋没しないことを証明して人工島が国際法上立派な島であることを主張するだろう。そして国際法上認めるか認めないかはアメリカと中国の優劣で決まる。
中国国務院の友人の話では中国は今後50以上の人工島を南シナ海と東シナ海に建造し、併せて空母(近々3隻になる)を10隻に増やし太平洋からアジア一帯を網羅すると言う。太平洋からアジアの海で中国は領海拡大続行、アメリカはそれを眺めながら今回のような「嫌がらせ」の続行では対米中国優勢は不動。強い者は常に「やったもの勝ち」である。今回の米中衝突で「米中二大国関係」が難しくなるという見解があるが、「馬鹿げた見方」である。「小冊子」(Vol.73)で解説したように、米中二大国関係では中国優勢、アメリカ劣勢が決定的なので、アメリカは日本を再軍備化し、日本にアジア、太平洋の米同盟国を結集させ対中軍事同盟を主導させることで対中アメリカの劣勢をカバーしようとしている。ところが日本は中国に尖閣諸島を攻撃されるか、北朝鮮のミサイルが東京のど真ん中に着弾でもしない限り動かない。仕方がなく「航行の自由作戦」に及び、少しでもアメリカの対中劣勢を補おうと言うのが今回の作戦。
安倍総理は、すでに中ロ主導の対米軍事同盟、上海協力機構のメンバー国になっている国々に小金を撒いて回っているが、対中「嫌がらせ」に過ぎない。
対中嫌がらせはアメリカがすべきことで日本がすることではない。
こうした時こそ太平洋・アジアのアメリカの同盟国を回って対中警戒態勢の呼びかけでもしていたら「さすがは安倍総理」とアメリカも喜んだだろう。対米軍事同盟国に金を撒きに行くとは、、
第一次安倍内閣時「自由と繁栄の弧」(戦後初めての自主的外交政策)でアメリカと政策のすり合わせもせず勝手に関係国を回ったのでアメリカに叱られ、せっかくの自主外交政策が不発に終わったのを安倍総理はすっかり忘れてしまったようだ。
ボンボン同士の安倍晋三と鳩山由紀夫についての面白い話が「小冊子」(Vol.73)に書いてある。



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