第1026号(2015年11月4日号)

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増田俊男の愉快な暴言
1971年8月15日のアメリカのツケを世界が払う時

1971年8月15日のニクソンショックと言われるドル・金交換制廃止以降アメリカは世界通貨であるドルを何の裏付けもなく自由に発行して今日に至る。
ニクソンショック後に発行されたドルは総てアメリカが「稼いだ」金でも、稼いで「貯めた」金でもなく、いわば「無から生まれた」金である。
大量生産されたドルは、1960‐70年代は日本に流入して、日銀にそれに見合った円の増刷を促し、1980年代後半の超バブルに誘導、また最近のリーマンショック後2008年以降は中国に流入し、人民銀行の人民元増発による資産バブルを起こさせた。1979年にはほぼゼロであった中国の外貨準備は今日約 $ 4 trillion(480兆円)、これほどのドルが流入したのである。アメリカは成長する国にドルを送り込んでモノを作らせ、買い取る方式を続けて来た。正にGive and takeであり、その結果は日本や中国にドル資産(アメリカの借金証書=米国債)が溢れることになった。私は「世界の流れが変わりつつある」と言う。
中国経済の方針は外需依存から内需依存に変わり、貯め込んだドル資産を放出し始めた。2014年だけで中国は$ 400 billion(48兆円)のドル資産を減らしている。中国以外のアジア諸国へ流入したドルも次々とアメリカへ帰還している。
今日のドル独歩高はそのためである。QE1からQE3(2014年10月終了)で約$ 4 trillion(480兆円)の米国債を資産に繰り入れたFRBはバランスシートの正常化が必要だと言うことで利上げの準備をしている。発展途上国の多くはドル建て国債を発行することでドル流入に対応してきたので、ドル高・自国通貨安で返済が困難になりデフォルトが目前に迫っている。
ここで再認識しておかねばならないことはアメリカのFRBは1913年ロスチャイルド家の番頭格であったウィルソンを大統領に当選させて連邦準備制度法を作らせロスチャイルド系銀行が株主で政府は1株も持たない連邦準備銀行が仕切っていること。さらに私が言いたいのは「FRBは高利貸し」であること。
高利貸しでない金融機関は借主を「成功させる」ことを責務とするが、高利貸しは借主から「奪う」ことを目的とする。
話はFRBの利上げに戻るが、今もしFRBが利上げをしたら、発展途上国の政府・財務省、金融機関はどうなるだろうか。誰かにBail out(救済)してもらわないと「存在の危機」に陥ることになる。では高利貸しはどうする?
「流れが変わる」のは世界の資金だけではない。
「経済主権が高利貸しに流れる」のである。「FRBの利上げはあるでしょうか?」。
「バカな質問をしなさんな」が私の答え。


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