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平成28年度一覧
1121号(2016年11月18日号)
トランプの「偉大なアメリカ」と日本の役割

米大統領選中、市場は「トランプが勝てばあらゆる分野の先行きが不透明になり株価は暴落、為替は安全通貨の円が買われ円高になる」が定説であった。
ところが実際は一旦下げた後下げを取り戻しNYもニッケイも高値追いでNYは19,000ドルに接近、ニッケイはついに18,000円台、円高どころか円は110円になろうとしている。
日米株価は「持ちつ持たれつ」で上げているかに見える。
「対中45%関税」、「海外進出企業と対外投資強制引揚げ」などの発言はアメリカ利益最優先という次期トランプ政権の基本方針を表している。
レーガン大統領の「強いアメリカ」に倣ってトランプは「偉大なアメリカ」を標榜する。
私は「小冊子」(Vol.83)で先進国も新興国も潜在的財政破たん状態に陥っているが中央銀行の打つ手がなくなっていると述べた。
金融政策が駄目なら財政政策だが、債務過剰で財政出動は出来ない。
世界経済の共倒れを回避するには、世界の通貨の自由裁量権を持ち、世界最大の経済力を持つアメリカを、他国を犠牲にしてでも救済し強化するにかない。
トランプのアメリカ第一主義の根拠はここにある。
金融政策が限界に達した今日のアメリカ経済を成長に導くには、トランプが唱えるインフラ投資などの財政出動しかない。
3回にわたって400兆円以上の緩和資金を放出したFRBのバランスシートは資産(国債)過剰だから今や引締め政策、利上げ模索中でヘリコプターマネー政策(すべての政府支出のための国債を買い上げる)など出来ない。
2015年の日銀の年間80兆円の緩和資金中30兆円がアメリカに移動したことが財務省のデータで証明されている。
日銀の年80兆円の緩和資金が物価にも経済成長にも全く効果がないことが3年7か月もかけて証明されたのにまだ維持するのはFRBが買えないアメリカの建設国債の手当ての為である。
日本の国債(国の借金)のほとんどすべては国民が保有し、国民は決して売らないから日本は安倍内閣の28兆円財政出動はおろかいくらでもヘリコプターマネーを発行出来る。
今後果敢な財政出動による日本経済バブル再現で民間余剰資金はBuy America(アメリカ買い)でアメリカに向かう。
トランプはFRBの力を借りず日本のおかげで強いアメリカ経済を目指すことが出来るのである。正に日米経済「持ちつ持たれつ」である。
世界のすべての国に先駆けて日本の首相をトップ会談の相手に選んだのは当然過ぎるほど当然なのである。
日米安全保障関係の変化については追って解説する。


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