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平成31年度一覧
1307号(2019年2月19日号)
為替操作監視国中国【2018年】

現在北京からパリへ着いたところである。
北京滞在中、海外の高官との会食によく使われる北京ダックで有名なレストランに招かれ人民銀行の為替管理責任機関、中央銀行通貨委員会書記会長職のP氏と中国の不動産王の一人であるH氏と中国を取り巻く国際情勢、なかんずくP氏の専門である為替問題につき予定を上回る3時間以上話し合った。
休日であったこともあり、普段着で親しく意見交換が出来た。

アメリカ財務省は毎年半期毎に主要貿易相手国の為替操作状態を調査、為替操作国又は操作監視国の指定を発表する。アメリカは2016年以来中国を為替操作国に指定していたが、2018年から日本と同じく為替監視国に変えた。
為替戦争を避け、貿易戦争だけに専念する戦略である。対米貿易黒字国に制裁関税を課し、毎日のように為替操作をしているアメリカは保護貿易国かつ為替操作国の世界代表。他国に対しては保護貿易と為替操作を非難して制裁するが自国は何でもありがトランプのアメリカファーストである。
今日の中国経済の礎である改革開放路線に踏み切ったケ小平が歴代の国家主席に残した教訓は「能ある鷹は爪を隠す」である。この教訓に胡錦涛までは従ったが習近平は「能ある鷹は爪を現す」に切り替えた。情報ハイテクで先進国に追いつき追い越す「中国製造2025」さらには「建国百周年2049年までに世界の軍事・経済の頂点に立つ」と宣言するなど爪どころか牙をむき出した感がある。
P氏は会談を通して一生懸命「能ある鷹は爪を隠す」に徹していた。
「小冊子」Vol.106で軍事・経済における「中国の実力」を指摘した通り、中国が2049年の目標に向かって着実に歩を進めていることは事実であり、トランプの対中脅威の根源になっている。中国は世界に対してGDPをはじめ軍事・経済が過小評価されるべく情報をコントロールしている。P氏はアメリカのWTO(世界貿易機構)離脱を最も恐れていた。WTOがアメリカを押さえられなくなったら、アメリカは他国に関税撤廃を要求し、自国は保護貿易で中国をはじめ貿易相手国の利益独占に走るからである。トランプの現行通商戦略はことごとくWTO違反だから敗訴する前に脱退する可能性は高いと心配していた。P氏は、現在中国はアメリカに為替監視国に指定されているが、アメリカの為替操作は目に余るが中国はアメリカの通貨当局の了解のもとで1ドル=7人民元を維持しているに過ぎないが、中国は貿易においても為替においてもアメリカを非難することは極力避けていると言う。
情報ハイテクにおいても「中国はアメリカに20年以上遅れていて到底アメリカの脅威にはならない」と繰り返していた。
しかし官僚のトップのP氏と不動産王のH氏とでは言うことが違っていた。
H氏は私と同じく「2049年の中国世界制覇は確実」と確信している。
当分中国の対トランプ戦略は低姿勢、「能を隠す」に徹するようだ。

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