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平成31年度一覧
1309号(2019年2月25日号)
トランプの「国境の壁」はアメリカの宿命

20世紀は戦争の時代であり、常に越境が戦争の原因であり、戦争の勝敗が国境を決めた。
今日まで長くアメリカにとっての国境はフロンティア”Frontier”(前線)であり続け、国境の壁は不要であった。
メキシコの一部をカリフォルニア、アリゾナ、テキサスに統合、さらにフランス領をフロリダに加え今日の合衆国領が出来た。
メキシコとの国境に壁を造り始めた2006年までアメリカは壁を造る必要がなかった。
アメリカは憲法で合衆国内の国民に「自由」を保証してきた為、メキシコのみならず世界中からアメリカへ人々が自由を求めて移民してきた。
大航海時代(15‐17世紀)と植民地時代(18‐20世紀)、西欧は武力と宗教を手段としてアジア、中東、南米、アフリカを支配したが、アメリカは人種、宗教を問わず誰もが求める「自由」を国是として掲げ、戦後の東西冷戦を「自由か独裁か」を問う戦いとして世界にアピール、国境なきアメリカのフロンティアを全世界に拡大した。
植民地時代の武力と宗教による「強制された支配」ではなく、アメリカの世界支配は「世界から求められる支配」であった。
戦後アメリカは自らを世界の警察官と自認し世界の自由と民主主義を守る為世界30か国に軍事基地を配備して独裁政治に対する制裁や壊滅を繰り返してきた。

アメリカは2006年からメキシコとの国境に壁を建設すると同時に壁のないところにはレーダー・センサーの仮想壁を設置してきた為今日までメキシコからの不法移民者数は激減している。
ではトランプは何故壁建設の大統領令(2017年)を出したり、さらに非常事態宣言まで出してわずかな不法移民を減らすことに固執するのだろうか。
それは国境の壁は単なる不法移民排除だけではなくアメリカの国際指針変更の象徴だからである。
それは従来の自由拡大、国境なきアメリカ領拡大終焉の象徴だからである。
目に見える壁を造り、目に見えないフロンティア(前線)を終焉するのがトランプの使命である。
30か国に拡大した米軍基地を撤退させ、海外に拡散したドル資産と企業を本国に帰還させてアメリカのフロンティアを消滅させる。
国境の壁は、世界のアメリカをアメリカの為のアメリカ(アメリカファースト)にするシンボルである。
この国境の壁の真髄をトランプが分かっていてもいなくても、アメリカファーストはアメリカの宿命である。
「もう戦後のアメリカはない」ことを肝に銘じておくべきである。


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