第560号(2009年11月27日号)

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対米追従

鳩山由紀夫は、これまで「戦後のわが国の歴代内閣は常に対米追従であった。」と批判してきた。
だから来年からのインド洋での石油補給を拒否し、普天間移転問題でもごねるのだろうか。対米追従批判は結構だが、では鳩山首相は何か従うべき指針でもお持ちなのだろうか。選挙中、鳩山首相は「政権交代」を唱えただけで、国民の前に「日本が進むべき道」を示さなかったし、政権をとった今も明らかにしていない。ならば対米追従批判は野党時代の「反対のための反対」と何ら変らないのではないか。

アメリカ音痴、経済音痴

また鳩山首相はアメリカとの同盟関係を確かなものにすると言うが、アメリカの国民が選んだオバマ大統領の「変化」とは何か知っているのだろうか。アメリカの歴代大統領がエリートの代表であったのに比べオバマ大統領は大衆の代表である。単なる共和党から民主党への変化ではない。鳩山首相はアメリカの主役が交代したことを知っているのだろうか。それはすでにアメリカのあらゆる政策の変化に現れている。


2007年12月以来の世界規模の大不況克服のため世界の首脳達はいずれも緊急経済政策を打ち出している。鳩山首相は「緊急」という意味がわかっているのだろうか。
緊急経済政策とは「目先の政策」であって「長期の政策」ではない。
「事業仕分け」による政府関連事業予算削減は準公務員と関連民間企業の労働者削減となるばかりか関連民需の大幅な減退に繋がる。民主党が今やっていることはなりふり構わぬ財政健全化に他ならない。財政健全化政策は目先ではなく長期の政策である。鳩山内閣は全世界が取り組んでいる緊急経済政策の正反対の方向へ邁進している。今日のグローバル時代にあって日米、日中経済の依存度は大きい。米中が緊急経済政策を推進している時日本は正反対の政策を遂行し米中経済、ひいては世界経済を阻害している。アメリカが出口戦略をかなり先まで〔2011年?〕延期したが、この責任は鳩山内閣にある。日本のデフレをスパイラル化する事業仕分けのせいで日本の実質金利がアメリカより高くなり結果はドル暴落〔超円高〕。世界経済をここまで阻害しておいて鳩山政権はどう責任をとるつもりなのだろうか。

鳩山由紀夫は日本を世界の粗大ゴミにしようとしている

オバマ大統領は「G8からG20」と述べ、もはやアメリカは単独では世界を主導できないことを明らかにした。アメリカは世界の安全に対して最早責任が持てなくなったのであり、また世界がそれを認識したのである。つまりこれからの世界の安全はアメリカ一国に頼らず各国が責任を分担しなくてはならなくなったのである。日本はG20の重要なメンバーであるが、その日本が中東、特にアフガニスタンの安全に大きく影響する日本のインド洋での石油供給活動を廃止するのは一体どういう発想なのか。日本はG20メンバーを辞退し孤立したいのか。それとも何か新たな日本の指針があってインド洋での石油供給も普天間基地移転もすべて指針に反するとでも言うのか。

鳩山一郎が生きていたら由紀夫は破門

鳩山由紀夫のさらにあきれた無思慮発言は、「北方領土の二島返還は好ましくない」である。鳩山由紀夫は鳩山一郎に反旗を翻したのも同然である。日露平和条約締結、敗戦国汚名返上、二島返還、日露平等な立場で二島返還取引。これが、鳩山一郎が日本の後世に残した遺産ではなかったのか。
 「北方領土が還る日、平和の日」〔総務省に掲示された、平和条約後回し論=アメリカの意図〕を撤去する勇気などないのだろう。


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