第718号(2012年04月03日号)

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欧州債務問題決着!?

「ユーロ共通通貨を維持する限り欧州債務問題は解決しない」は私の持論であり「世界の常識」である。ギリシャとドイツが同じ通貨で、同じ市場で競争するなどあり得ないのである。
「ギリシャや南欧の債務危機の原因は共通通貨のユーロである」という事実は今回の欧州滞在期間中常識のある人達の共通認識である。
また「南欧諸国の財政悪化を金融支援で解決など出来ない」も知識人の常識である。
さて、3月30日の欧州(ユーロ圏)財務相会合で欧州の金融安全網を8,000億ユーロ(約88兆円)に拡大することで合意した。
IMF(国際通貨基金)は欧州への資金支援は「EUの自助努力が先決」と主張してきたが、EUがEFSF(欧州金融安定基金)を暫時ESM(欧州安定メカニズム)に統合して欧州金融危機の防火網を築こうとしていることから5,000億ドル程度の資金調達を準備することになるとラガルドIMF専務理事は言う。
IMFの資金増強のターゲットは日本と中国である。ユーロ圏と他のEU諸国が負担する部分を除くと実際に日本と中国に求められるのは真水で3,000億ドル程度となる。日本も中国もIMF同様「EUの自助努力が先」だったから今回の8,000億ユーロ(約1兆ドル)の安全網の発表で拠出を迫られることになる。
ギリシャ、アイルランド、ポルトガル向けの2,000億ユーロと2国間融資のEU基金1,000億ユーロはすでに決済済みだから、ESMがこれから調達しなくてはならないのは約5,000億ユーロである。
ESMはEFSF(真水)と異なり金融機関の機能を持たせている。
つまり5,000億ユーロ調達とはユーロ加盟国から7月、10月、来年中の分割で800億ユーロを払わせながらこれを証拠金にして5,000億ユーロの運用をしようという、言わば「カラクリ」である。
こんな潜在的破綻の欧州安全網を世界に信じさせ、金持ち(日本や中国)から金を出させ、自分の借金を他人(市場を含め)に払わせようと涙ぐましい努力をしているのが今日のEUである。
勿論アメリカは日本と違って国民の税金を「ドロボーに追い銭」に使わないから「欧州の債務支援の為の出資には応じない」とはっきり宣言している。
消費税で騒いでいる日本がポンと10兆円もドロボーに差し上げるとは!
こういうことは「アメリカ追従」がいいと思いますが、、、。


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