第953号(2014年12月15日号)

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原油価格急落の陰謀!

本年6月1バーレル105.24ドルであった原油価格(NYMEX)の先週金曜日(12月12日)の終値は1バーレル57.81ドルであった。6か月で45%の上昇である。11月後半から12月中旬までの1か月間の上昇率が最も大きく約20%。
こうした需給に関わりのない値動きはManipulation(価格操作)であると断言しておく。こうした大掛かりな「仕掛け」が出来るのは世界の中央銀行を動かす「アメリカ(奴隷)の王様」以外にない。
本日の「ここ一番!」で「原油価格暴落はFRBの第四景気刺激策と同じである」と述べた。オバマ政権はアメリカ経済の米であるエネルギーの中東依存から「アメリカのエネルギー自立」の為2005年から米国内のシェールガス・オイル探索と開発を支援、シェール革命事業への融資・投資に優遇措置を執った。
一攫千金を夢見て大小さまざまなシェール業者が生まれ、アメリカの天然ガスと原油生産量はサウジアラビアに迫るほど増大した。
100を超えるシェール業者の損益分岐点は様々で1バーレル30ドルから80ドルまでいろいろである。(「小冊子」Vol.62に掲載したアメリカのシェールガス・オイル企業の損益分岐点一覧表参照)

サウジアラビアの損益分岐点は25ドル(実際は国内インフラ負担を加えると40ドル)だからサウジと対抗するにはシェール業界の再編成と合理化が必要である。
1バーレル60ドルを割った段階でアメリカの新興シェール業者は社債の金利支払いが不能になり、ジャンクボンド市場の利回り高騰で新規社債発行も難しくなる。やがて軒並に金利不払いと債権デフォルト(返済不能)が続発、シェール業界に倒産が相次ぐだろう。投資家保有の社債は紙くずになり、残った油田と設備をメジャー(FRBの株主が株主の)が二束三文で買い取る。結果メジャーの原油はサウジアラビアよりはるかに競争力が高くなる。
アメリカのシェールガス・オイル業界再編成が終わると次は中東(OPEC)、南米、ロシアを含む世界の原油業界の再編成である。
「21世紀の冷戦の根底はエネルギー争奪戦である」と前号の「小冊子」(Vol.62)で述べているが、次号「小冊子」(Vol.63)ではメジャーを表に立てた世界エネルギー独占を目指すどんな陰謀が企てられているかを詳しく述べる。
日本の安全も経済も手の込んだエネルギー冷戦の結果次第である。




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