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平成30年度一覧
1284号(2018年10月19日号)
カショギ(反体制サウジ記者)殺害に見るトランプとMBS
カショギ記者は婚約者ジェンギズ(トルコ諜報部の回し者)との婚姻手続の為アポ時間10月2日にイスタンブールのサウジアラビア領事館を訪れたがその後行方不明になりサウジに殺害されたとの疑惑が広がっている。
カショギ記者はプロのジャーナリスト。サウジ領事館に行けば圧力を受けることはわかっていたので自分との会話が即時発信されるデバイスを隠し持ち婚約者(トルコ情報部)に伝えていた。カショギ氏が領事館にアポを取った直後から訪問するまでにサウジからムハンマド皇太子(MBS)のボディーガードを務めていた二人と検視官を含む工作員がイスタンブールに入国した。(記録と映像が残されている)トルコ当局が持っているMBSとサウジ政府による同記者殺害の確固たる証拠は時が来るまで明かされない。MBSが指示したことが明らかになれば、トランプも対サウジ制裁に踏み切らざるを得なくなり、国連の高等弁務官がサウジの外交特権を取り消すと述べる等サウジは国際社会から孤立する。
国際銀行団からのPIF(サウジ公共投資基金)の借入金1兆2千億円規模もご破算になるだろうし、100%代替可能エネルギーのスマートシティー計画(5,000億ドル)やスーパーチューブ(超高速運搬システム)のバージンエアーの参加も見送られるだろう。
MBSはサウジの全権を掌握する為なりふり構わぬ「臭いモノには蓋」の粛清政治を行ってきたのでアフマド元内務相やハリド・ファルハン王子など反MBSの王族は英国やアメリカに亡命、MBS政権転覆を策している。
今回の事件は明らかにMBSの独裁体制崩壊とトランプ降ろしを狙った「陰謀」である。MBSに国交断絶されたカタールにトルコ軍とイラン軍が駐屯、イラン、トルコ、カタール、それにサウジ内反MBS勢力の協力を得て対サウジ戦争の準備が進んでいる。
「MBSは保守、伝統的サウジを近代化する立役者だ」と言われるが、本来「改革・解放」は伝統的独裁国家には現実的ではなく、単なるポピュリズム効果しかない。
MBSとトランプは現行体制に挑戦している点は同じだが、MBSは「本気」でトランプは単なる「駆引き」の一環でしかない。トランプはアメリカの現行体制の改革が出来るなど初めから考えていない。旧体制(イスラエル左派)の利権をどれだけ現体制(イスラエル右派)が取れるかである。だから本気のMBSは崩壊し、駆引き上手なトランプは崩壊しない。すべては2020年の中東大戦争の為である。
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